2011年11月02日

漢字ぬきの中国語

さて、昨日、田中克彦氏の
『漢字が日本語をほろぼす』のことを
書いたが、実は最後まで読み終えて
はいなかった。

じつは、最後の方に大切なことが
書かれていた。

日本語を漢字なしでローマ字だけで
も十分に論文が書けるということは
昨日のブログで書いた。

それでは、中国語は漢字なしでも
ことばとして成り立つのか?

日本人の中国語学習法で最大の
あやまちは発音をカタカナで表記
してしまうこと。それと、初級段階から
漢字を使用してしまうこと。

中国語を音から学習する上で、
漢字は邪魔ものである。
それを主張したのが、倉石武四郎
先生だ。彼の『中国語辞典』
は英語の辞書のようにピンインで
配列されている。
これを買った時は私もさすがに
戸惑った。

田中氏の本によると、全く
漢字を使わず、中国語を日常的に
使用している民族がある。
「回族」といわれるイスラム教徒である。
彼らが用いる中国語は「ドゥンガン語」
といい、ロシア文字で書かれている。
独立したキルギスタンでは、学校の
教科書でこれを習う。
つまり、漢字でなく、ロシア文字であっても
中国語は理解できるのである。

驚きだ。漢字とは、ことばではなく、
文字に過ぎないということがよく
わかる。

田中氏は最後に、日本の文明の
あり方にまで論をすすめる。
漢字のない時代は来るのだろうか?




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Posted by ドクトルふぁん at 17:40│Comments(0)ことば
 
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